【あ】「はい有難うございました」

小さな出版社で下っ端社員をやっていた頃、
と言われて出向いた。
場所は普通の喫茶店。
挨拶して名刺交換して、テーブルにレコーダー置いて相手に話させる。
こっちはたまに合いの手を挟む程度。

男性は
と言い、
と最初はしおらしかったのだが、だんだん気が大きくなってきたのか、向こうから私に質問してくるようになった。
しゃべってくれるのは有難いので適当に受け答えした。

男性が
と聞くので、
とやんわり答えたら、なぜか急に男性は居丈高になった。
「欲求不満の女特有の匂いがある。ぼくらはそれを嗅ぎ分ける嗅覚がある」
等々、ニヤつきながらベラベラしゃべる。
口元はニヤついてるのに、目はじーっとこっちを睨んでるのが印象的だった。

しゃべるだけしゃべらせて、
と切り上げ、レコーダーの最後に
と男性からもらった名刺を読み上げながら吹き込んだ。
男性は
という顔をしてしおしおと小さくなっていった。

男性が店を出たあと、別のテーブルで同じくインタビューをとっていた社員（男性）と連れ立って喫茶店を出た。
例の元痴漢はまだ店の前をウロついていた。
私に連れがいるのを見ると、また
という顔で悔しそうに去っていった。
名刺を取り返したかったのかな？
ことによるとレコーダーも盗む気だったかも。

顔も名前も勤め先も自分から明かしておいて、アホだと思った。

痴漢で実刑とは前科何犯なのやら

確かその男性は罰金刑二回、その後執行猶予付きの有罪、再逮捕で服役だったと思います。

その男またやらかして捕まりそうだね
性犯罪は更正しないって言うし

雑誌のインタビュー記事って匿名で載ってるから、取材の時から匿名で取材されるとでも勘違いしてたんじゃない？
どのみち神経分からんな

たぶん何も考えてないんだと思う
もしちょっとでも脳みそにシワがあったら、せっかく服役終えて仕事も見つけたってのに犯罪歴についてインタビューしたいって言われてノコノコ出かけないだろう