【s/talker】「話し合おう」

ウソっぽい話なので、ネタだと思ってくれていいす。

姉の元夫はとても外ヅラのいい人で、俺らもだいぶ長い間だまされてたが、陰で姉と甥にモラハラとＤＶをしていた。
証拠を積み重ねて、裁判までして離婚した。
姉は実家に甥を連れて出戻った。

姉の元夫はわが家のまわりを徘徊し、
と道端で泣きわめいたり、ご近所に
と嘘八百撒き散らしたりと大騒ぎした。

甥っ子は四歳になる直前だったが、一言もしゃべらない子だった。
耳も発声器官も異状なし、知的障害なしと診断されたがしゃべらない。
『あー』も『うー』も言わない。
医者は
と言った。
と。
姉の元夫は甥のその症状も利用し、
とデマを飛ばしまくった。




ご近所は基本的に我が家の味方だが、
という感じに傾きつつあった。
姉の元夫は
姉は
この決裂も、姉の元夫は
と言いふらした。

ある日、姉の元夫が民生委員を連れてきた。民生委員は
と言う。
姉と俺と両親で拒んでいたら、騒ぎになってご近所のみんなも集まってきた。
そしたら甥も居間から出てきた。
姉の元夫、甥の名を呼んで
俺は甥を抱っこして居間に戻そうとした。

そしたら甥が、姉の元夫を指さして、ものすごいはっきりした声で
と言った。
みんな驚きすぎて
だった。
ご近所も全員、甥がしゃべれないのは知ってたから。

甥は俺に抱っこされかけたまま、
と、姉の元夫を指さして、もう一回ハキハキ言った。

その場にいた大人が全員、
と盛り上がり、姉の元夫どころではなくなった。
民生委員まで喜んでいた。
なんかそのままお祝いっぽいムードになだれこみ、気づいたら姉の元夫はいなくなっていた。
帰ったんだと思う。

その後、姉の元夫は三～四回来たが、もう
の言葉がまわりに浸透しきっていて、誰も相手にしなかった。
はっきり
と言う人もいた。

今の甥は中学生で、反動が来たようによくしゃべる。
ちょいオタクっぽいので漫画のキャラ分析とかめっちゃ語ってくる。

姉の元夫は再婚してまた離婚したらしいと噂を聞いたが、よく知らん。

終わり。