【何をバカなことを！】「俺って何々な人だからさ～」

大学に入ってすぐ彼氏ができました。
相手は４歳上の院生で、田舎から上京したばかりの小娘には世慣れた大人に見えました。
彼にしてみたら、田舎出の舞い上がった小娘なんてチョロかったんでしょう。
今思えば口調が淡々として声を荒げないってだけだったのに、
と思ってしまってました。
田舎の父やおじさんたちは方言がキツくて、怒ってなくても怒鳴るみたいなしゃべり方をする人ばかりだったから、都会の人たちは話し方からして上品で理知的に見えたんですよね。

彼氏は
と自分誉めをする癖があり（『何々な』の中には『論理的に物を考える』『人に信頼される』等々の語句が入る）、今の私なら『ウザい』と思うでしょうが、当時はその自己申告をまるっと信じこんでしまいました。

当時はモラハラだと気づいていなくて、最初こそおかしなことを言われたら反論していました。
けど反論したら十倍くらい言いかえされるので、段々反論が面倒というかハイハイ聞いてた方が楽になって、気づいたら
の精神状態になってました。
激しい暴力はなかったけど、
特にこの “頬を軽く平手でペチンとする往復ビンタ” には自尊心が削られていきました。




彼氏は、私のことを
と罵るのはもちろん、
といわゆる女叩きもしていて、私はこれらの発言にも相槌を打つよう命じられ、いつの間にか心から賛同するようになってました。

その後、彼はポストドクターに。
就職できず、教授とも折り合いが悪かったみたいで（ここの事情よくわかりません）、
と荒れてました。
彼がポスドクでくすぶってる間、私は順当に進級し、就活開始。
彼氏に
と言われながらの活動。
今思うと同棲してなくてよかった。
企業からの返信、全部捨てられてただろうから（通いでおさんどんしてました）。

就活してた時期、私は自分が女なのに女性蔑視に凝り固まっていたピークで、自分に自信がないからオドオドしてるし、同じ説明会に集まった女子学生たちに
と敵意を燃やすなど、我ながら異常な精神状態でした。
そんな精神状態で挑むわけだから就活は当然うまくいかず、彼氏には
と嘲笑われ、さらに鬱屈する悪循環でした。

でもここで転機。
が重なり、その就活生たちに
「女が給料もらうなって、人権思想に反してるじゃん」
と言われてちょっとずつ洗脳がとけていきました。

あまりにも自分が揺らいだので、その “××のレポート” を提出した社会学系の教授に相談に行き、全部打ちあけたところ、教授が
と激怒。
教授から大学側に話がいき、何だか色々大ごとになりました。

強制的に別れさせられた感じで私はボーっとしてたのですが、何とかギリギリの時期に内定がもらえて卒業。
そして卒業とともに引っ越し、彼とは完全に縁が切れました。


現在はただの会社員として働いていて、今あの頃のことを思い返すと夢みたいに感じるし、
とか
とか、色々ツッコミどころ満載で。
ＳＮＳなどで、女なのに女叩きをしてる人を見ると
と思い出して恥ずかしくなる。
そういう人も早く目を覚ましてほしい。