友達Aは、「真面目にならなきゃいけないシーンでハイテンションになる」というクセがある。

友達の神経が謎

私の大学からの友達Aは、「真面目にならなきゃいけないシーンでハイテンションになる」というクセがある。
ジミー大西が、「お葬式でみんなが真面目にしていると笑ってしまう」と悩みを告白してたのを見たことあるのだけれど、それに似ている。
それ以外は普通。なので何もなかった大学時代（サークルも同じ）はとても楽しく彼女と遊んだり勉強したりした。

私たちが社会人になって、ある日突然「久しぶり！元気にしてるかな？」とLINEが来た。お、遊びの誘いか？と「元気だよー！」と返した。
以下友達のライン

友「今日はとても良いお知らせと悪いお知らせがありまーす！！
どっちから聞きたい？良い方、悪い方？

そうだよねー！悪い方だよね！悪いお知らせは誰だって先に聞きたいよね！

じゃ、悪いお知らせいきまーす！
なんと！先週、大学時代お世話になった○○先輩が亡くなりました！！自サツっぽいです！！
謹んでご冥福お祈りします（合掌の絵文字）

はいっ！悪いお知らせ終了ーー！！！

続きまして、良いお知らせです！
この度×先輩の結婚を祝して集まることとなりましたー！！！」

マジでポカーンとなった。
え？あの先輩が自サツ？なんで？なんで？1ヶ月前電話で話したよ？

慌てて
「まって、自サツって本当なの？お線香あげにいきたい」
と聞いても、
「もー！悪いお知らせ終了ーー！！」
とはぐらかされた。

お世話になった人だったので、他の同期Bにも連絡したところ、Aから同じLINEが来たらしい。

亡くなった先輩といつも遊んでたというBに詳細をきくと、先輩は仕事のことで悩んでたようだった、それが原因かもしれない…とのことだった。

そしてBから更に続けてこんな話が出た。

・AとBは先輩とよく飲むことがあった。

・いつからか、先輩は仕事で悩むようになり、弱音を吐く時があった。

・先輩の家庭は母子家庭。あまり裕福ではなく、奨学金やその他もろもろ、全て先輩が支払っていた。　
親御さんの借金も少しずつ返していたらしい。
「今まで育ててくれたお母さんに自己破産はさせたくない」と頑張ってたんだって。
だからブラック企業でも辞められなかった。

・Aはその事情を知りながら
「せんぱーい！棺桶に片足突っ込んでるー！」
「地獄まっしぐらじゃないですか！」
「手取り20ない私でもちゃんとできてるんですから！」
などという。Aは実家暮らしでかなり裕福。家賃も入れてないので、全部自分のお小遣い。条件が違いすぎる。

・その時のAは満面の笑みで、見たことないくらい早口で、恐ろしかった。
それが最近あった。しばらくして先輩が自サツした。

とのことだった。
Bが「自サツの原因はAではないか？」と含ませていっている気がしたので、「Aも原因かもしれないの？」と聞くと、「もしかしたら。でも、さっき電話したらAもすごく悲しんでて、泣いてたわ。どっちが本当だろう」という。

それから一年、私も大病を患った。
Twitterで闘病日記みたいなことを書いていた。やっぱり辛くなって愚痴る時もあった。

すると、
「イェーイ！颯爽と私が現れたぜ！元気ー？（主役は遅れて登場してくる風に）」
「やっほー！正義の味方が現れたぜ！」

と返信がいつも来た。（）の中も原文ママ。

そしてDMで、「あのね、本当に心配」「医者のことはわからないけど寄り添いたい」「こんな私が元気なのに、私子がこんな病気になってつらい」と毎回真面目な言葉がきた。

だから、
「先輩が亡くなった時も思ったけど、もしかしてものすごく辛いことがあると笑ったりするくせがある？」
と聞いた。

そしたら、
「こうしたら面白くて、悲しい人も笑顔になるでしょ？だから自然と道化になるの。なんでかわからないけど、元気が出るって思える！」
と言ってきた。
「多分、キャパ超えてるんだよ。無理しないで。それでかえって辛くなる人もいると思うし、誤解されると大変だよ。あと、今はそっとしておいて欲しいな」

と伝えると、Aは「わからないけどわかった！また元気になったら遊ぼ！心から応援してるね！言いにくいこと言ってくれてありがとう！」とだけ返し、そっとしておいてくれた。

本当に悪気がない分、なんでこういう反応するようになったかが謎だった。