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【わかるでしょう?】「酷いことは言わない。最後に話をしてみたいだけ」

   


(※編注:どこかで読んだとの指摘がありました。)

753: 名無しさん@おーぷん 2016/06/12(日)01:18:48 ID:L2D
結構前の話だけどふとはき出してみる。


結婚して十年夫の母(トメ)の介護をしていた。
トメは別に悪いトメじゃなかったんだけど、やっぱり手はかかるので仕事は続けられずやめたし、子供は作る気になれなかった。
そんな余裕なかった。
旅行も十年行ってないし、ろくに美容院や買い物もしたことない。
友達とランチすらほとんどなかった。
夫は仕事が忙しくて帰ってくるのは遅くて、でも「いつもごめん」と謝ってたくれたからまあ我慢できた。

十年たってトメが死んで、なんだかやっと肩の力が抜けて、言っちゃ悪いが
(やっと死んでくれた)
って気分になった。
トメはけして悪い人じゃなかったが、なんというか自分の人生十年間棒に振った気がしてつらかった。

でも、トメが死んだ後に、夫が
「離婚してくれ」
と言い出したのは驚いた。
なんと残業だと思っていたのは、愛人とデートしてただけだったらしい。
今思うとテンプレなんだけど、妻が介護で身なりもかまわずぼろぼろで、家事もおろそかになり、部屋もうんこしっこで臭いし、まあきれいな愛人とホテルで遊んでる方が楽しかったんだろう。
出張とかいってたのもお泊まりデートだったみたい。
トメが死ぬまでは離婚できないから、私は介護要員だったわけだ。

それだけでもショックなのに、夫の愛人には子供がいた。
五歳だって。種は旦那ね。
「おまえとの間には子供いないけど、相手には子供がいるから」
とかいわれて、
「アハハハハハハハハハハハハハハ」と狂ったように笑い続けてたの覚えてる。
夫が何か言おうとしたけどひたすら
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
っていってた。
怒りより先に笑いしかでなかった。
「アハハハハハハハハ」っていいながら黙って鞄もって実家に言って、びっくりした親に大笑いしながら、
「なんかねww(夫)隠し子いたんだってwwww離婚したいんだってwwwうけるーwwwww」
とか泣きながら笑ってた。

それからあと、頭ぼーっとしてほとんど覚えてない。
なんか頭真っ白って言うかご飯食べてたりしたのは覚えてるんだけど、なんというのか、機械みたいだった。
深く物事を考えたらいやなことを思い出しそうで、感情ってのが沸いてこなかったというか沸かないようにしていた。
しばらくしたら、怒りとかよりも先に気が抜けて、ひたすらむなしくて悲しかった。
夫に腹は立たなかった。
ただ、
(あー、わたし、何してたんだろう十年…馬鹿だなあ…)
という自己嫌悪ばかり。

自分が廃人みたいになっていた間に、親とかが頑張ってくれていたみたい。
離婚は決定だったし、慰謝料は当然向こうは払ってくれるつもりだったようだ。
親は私の代わりに憤慨していて、夫を刺し殺さない勢いだった。
慰謝料はそうとうふんだくれたらしい。

離婚届に名前を…のところで、私はとある気持ちがわいてきた。
「あなたの愛人と隠し子に会わせてほしい」
といった。
夫は渋った。
私が彼女たちに何かひどいことを言ったりすると思ったんだろう。
「酷いことは言わない。なんならあなたが隣で監視していてもいい。
ただあなたの新しい妻になる人と子供に、最後に話をしてみたいだけ」

と。
「会わせてくれるなら慰謝料も減額してもいい」
と言ったら夫はOKした。

754: 名無しさん@おーぷん 2016/06/12(日)01:19:11 ID:L2D
親は怒ったが、
「(親)もついてきていい」
と言ったら渋々納得した。

そして、私・元夫・夫愛人・子供・私両親という顔合わせで話が始まった。
私はひたすらトメの介護の話をした。
うんこしっこを塗りつけられ、帰ったら壁に塗りたくられ、噛まれ、叩かれ。
腕の傷を見せた。
トメに噛まれた跡だった。足にもあった。
親が聞いてて泣き出していた。
うん、だって本当に壮絶な介護だった。
最後の数年は痴呆が入って、あれは元のトメじゃなかった。
夜一時間おきに起こされ、トイレに連れて行き…つらかった。
ひたすら介護の話をした。
元夫は「残業だ」といって帰ってこなかった。
「家にいると臭いから」だったそうだけど、この状況ではきれいにするなんて無理だった。

愛人は最初はびくびくしていたが、私の壮絶な介護話を聞いて、だんだん真顔になっていった。
愛人は途中で言った。
「(元夫)は、『妻が“介護が大変だから”って言い訳にして手抜きをする』っていってましたけど、それ、手抜きじゃないですよね」
「うん。この状況で身なりを整えるなんて無理。薬の副作用で頻尿で、おむつもしょっちゅう変えてたし」
私は愛人に、
「あなたはご両親はいるの?」
と聞いた。
「いる」と答えたので、
「あなたのご両親が(トメ)と同じようになったときに、(元夫)は絶対助けない。
わかるでしょう?
この惨状の中、見ないふりをして外に出ていた人なんだから」
と言った。
愛人は真っ青で黙り込んでいた。

私は言いたいことは言ったので、これで終わりだった。
夫は何か言いたそうだったけど、別に怒っても怒鳴ってもないので何も言えなかったようだ。

その後元夫と愛人は結婚しなかったようだ。
子供もいるのにね。


それから何年かはやっぱり精神的ダメージが酷くて実家でニートしてたけど、やっと最近働き出した。
今でも一人になるとふっと電車に飛び出しそうになるから、やっぱりまだ親元にいるけど。
なんだか心の一部がえぐり取られてしまってもう戻ってこない感じが未だにしているけれど、いつか元に戻ればいいなあ。



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