【復讐】O3-906 「こんなところで絶対に死なせてはいけない」

高校の時のクラスメイトの話。
そいつは見た目は優等生でイケメンスポーツマンなんだけど、中身がサイコパスの虚言癖だった。
私はバカでとろいけど、昔から記憶力だけすごくよかった。
本人も覚えていないような些細なことが、私にとっては昨日のことのように思い出せてしまう。
私はそいつに好かれてた（多分、私が単純バカだから扱いやすいから）んだけど、いつの日からか彼の話に矛盾が多すぎることに気づいた。
嘘自体は本当に小さいことで、家の車のブランドだとか兄弟の学校とかなんだけど。

そのクラスメイトに私は本当にいつも連れ回されていたので、
とぼんやり思っていた。
毎日一緒に帰ってたんだけど、ある日
と聞いてしまった。

その瞬間みるみるそいつの顔が青ざめ、
と急にうろたえて謝ってきた。
私も何が何だかわからず
と聞いてしまった。
その瞬間、
と急に本気で怒られ肩を掴まれ揺さぶられ、
と脅された。
高校生とはいえ異性の本気の怒号にびっくりして、怖くて走って逃げ帰った。

次の日から私、クラスで総スカンに遭った。




と思うけど 誰も相手にしてくれなかった。
そしたらクラスで「親がヤクザ」とか「クスリやってる」とか言われて割と浮いてたハーフの女の子（ダレノガレに似てるから以下ノガレ）がいたんだけど、その子が休み時間に近づいてきて
みたいなこと言われた。
とそいつ本人に聞こうにも、電話もメールもブロックされてしまっていた。

私はだんだんとノガレと一緒に帰ったりご飯を食べる仲になった。
ノガレは噂と違って、実際はクソ真面目で医学部目指してた。
家も行ったけどヤクザどころかお嬢様で、単に嘘の噂で浮いてたことが判明した。
ノガレ曰く、
らしい。
その時、
と思って勉強始めたそうな。
そいつに嫌われると先生にも嫌われるから学校の推薦は諦めたこと、でも一般受験は学校の評価全く関係ないからそっちで頑張ろうと思ったことを伝えられた。
と思い、私も影響されて良い大学に入ろうと決意した。

その後の学校生活は、新しい友達はできなかったけどノガレのおかげでめちゃくちゃ楽しかったし、
って感じだった。

そんなこんなでお互い希望の大学に進学、別の大学だけどキャンパス近かったので卒業後も月１で会ってた。

４年生のある日、私の内定祝いも兼ねてノガレと飲んでたら、偶然目の前にいた人がよろけて倒れた。
と声をかけたら、なんとその人が吐いて痙攣し始めた。
何かずーっと意味不明なこと喚いてるし泡吹いてるし、怖かったんだけどノガレが冷静に回復体位にさせたり私に指示出ししたりし始めた。
と携帯開いたら、一瞬ライトに照らされた顔を見て思わず叫んでしまった。
人相は変わってたけど、その倒れた人と例のクラスメイトのソバカスの位置と数が同じ。

と思わず口走ってしまった。
そしたらノガレが
と言い出し、
どっちにせよ「救急車向かわせる」とのことだったが、来るまで必死に救護活動するノガレ。
なんども
と言われ、
と混乱してながらもノガレの指示に従った。
すぐにきた救急の人に状況説明させられたので、
みたいにありのままのことを答えた。

慌ただしく去って行った救急隊の人たちを横目に見ながらノガレが一言、
と言った。
確かに泥酔とは違うレベルの感じだったけど。
と思った。
救急車に通報するだけだと逮捕されない可能性があること（麻薬と覚せい剤で法律が違うとか。詳しく覚えてなくてすまん）、だから警察に通報したことを説明された。

あいつの内定先はかなりお堅い有名企業。
初犯の場合は実刑はないかもしれないがまず間違いなく拘留されるだろうからその先はどうなるか…。
さすがに私でもわかったし、
親からも勘当され、結局何度も捕まってて今も塀の中にいるとかいないとか。

あの時、救急車じゃなくて警察を呼んで人生めちゃくちゃにしてやったのが最大の復讐です。