【၁】ちょっとずつ大きくしていった。

従業員食堂でバイトしてた頃。

食器は流しに＆スプーンやお箸は所定のバケツにセルフで返却する決まりになってた。
だけど、お箸とスプーンを入れるバケツはそれぞれ違うのに、何度注意してもスプーンのバケツにお箸を突っ込むおっさんがいた。

最初は私がやんわり教えたけど無視。
一緒に働いてたおばさまが少しキツめに叱っても無視。
そもそも
って書いた紙をちゃんと張ってたのに。




おっさんの部署にチクるほどの悪事でもなかったから、対応をおばさまたちと話し合った。
結果、ちょっと当て付けも込みで
って書いた紙を大きくしていった。
最初は掌ぐらいのサイズだった紙を、ちょっとずつ大きくしていった。


私たちが叱ってたからか、それがおっさんに宛てたものだって察してくれたみたいで、リゾートバイトで派遣されてやってきた軽めの男の子集団が
っておっさん囃し立ててた。

おっさんはちゃんとお箸とスプーンを別々のバケツに入れてくれるようになった。