【滓】「“真面目だけが取り柄” の兄になんであんないい女が来た」

何して生きてるのか最近になるまで分からなかった親戚がいる。
父方の叔父。
勘当された理由もつい最近になって教えられた。
うちの母にセクハラして実家を勘当されたらしい。
以降約２０年、一年に二度ほど金の無心の連絡を寄越してくるか、数年に一度家に侵入して何かしら取っていく以外は接触のない状況が続いていたらしい。
私はつい最近になるまで叔父に会ったことはなかった。

今から一年前、祖父母の家でたまたま私一人だったタイミングで叔父が帰ってきた。
当時はまだ叔父と祖父母が絶縁した理由も知らなかったので、叔父だと言われてとりあえず頭を下げた。
居間にどっかりと腰掛けた叔父にお茶を要求された。
と断ったら
と、こちらに聞こえるような声で独り言を言われて舌打ちされた。
そしてやたら顔が真っ赤で呂律の回らない叔父に一方的に捲し立てられた。
捲し立てられた時間は２０分ぐらいだったけど、聞いてるだけでうんざりする内容だったから長く感じた。




とか、
とか、
とか。

叔父は日雇いを転々とした後、今は風俗のスカウトをしてるらしい。
あまりここには書きたくない仕事の話を聞かされた後、唐突に歳を聞かれた。
答えたら
と聞かれ、大学生だと正直に答えたら
と聞かれた。
親からだと答えたらちゃぶ台を叩かれた。

叔父曰く、
らしい。
って。
だから学費を親が払ってくれてる女性と学費や奨学金の制度の是正のために動いてる人の存在が
らしく、
と言われた。
この時点でもう怖くて走って逃げ出したかった。
でもそれ以上に、父と母を悪く言った叔父への怒りのほうが強かった

玄関から祖父母が帰ってくる音が聞こえたので、
と思って
って怒鳴って、ダッシュで玄関まで駆け込んだ。

と不安だったけど、叔父は追いかけてこなかった。
血相を変えた私の様子を見て何があったのか尋ねてきた祖父母に、興奮で要領を得ないことしか言えなかった。
でも「叔父」と言っただけで何かを察したのか居間まで走っていった。
叔父はもうその場にいなかった。
窓が空いてたから多分そこから逃げたんだと思う。
それから祖父母に叔父に関する話を聞かされた。

ちゃんと復讐できたかはわからないけど、言い返せてよかったと思う。

ゴミの見本のような叔父だな…